2025.09.03 知らないと損するお金や税金ニュースVol.113
今回のテーマは、『<税務調査>9月から「オンライン調査」を段階的に導入へ』です。
令和7年9月より、税務調査のデジタル化が本格始動します。
法人・個人問わず、全税目・納税者が対象となるため、従来の調査現場を大きく転換させる重要な動きといえるでしょう。
□■━━━オンライン調査のイメージ━━━■□
「オンライン調査」については、主に以下の3つの項目に分けられます。
・連絡手段
事前通知後の調査官との連絡にインターネットメールを活用
・面談
Microsoft TeamsによるWeb会議システムを用いた質疑応答の実施
・データの共有
インターネットメールや国税庁指定のオンラインストレージサービス(PrimeDrive)を通じて、大容量の帳簿書類などのデータを受け渡し
これらは、デジタル庁提供の「ガバメントソリューションサービス(GSS)」を基盤とし、納税者と調査官双方の効率化を図ります。
なお、税務調査の事前通知については、従来通り電話で行われます。
▼詳しくはこちら
国税庁「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション」
□■━━━導入スケジュールと対応方法━━━■□
オンライン調査は納税者の同意が前提であり、強制ではありません。
メールでの連絡は行いつつ、面談は対面で実施するなど、柔軟な組み合わせも可能です。
また、オンライン調査の場合には、同意書の提出やメールアドレス登録などの手続きが必要となります。
導入は段階的で、令和7年9月から金沢国税局と福岡国税局で先行開始。
その後、令和8年3月~6月にはその他の国税局等へ順次拡大されます。
オンライン調査の導入は税理士にも大きな影響を与え、顧問先への事前説明、会計データや証憑書類のデジタル化、Web会議システムへの対応などが求められるでしょう。
□■━━━まとめ━━━■□
今回のデジタル化は、税務行政のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を加速させます。
ただし、オンライン調査は対面調査を完全に代替するものではなく、調査の選択肢のひとつとして加わる予定です。
納税者・税理士ともに、この変化に対応できるよう、情報収集と体制整備を進め、より合理的で効率的な税務調査を実現しましょう。